@article{oai:soar-ir.repo.nii.ac.jp:00010442, author = {田中, 沙智}, journal = {信州大学農学部紀要}, month = {Mar}, note = {生体内には,病原体や毒素,外来の異物などを非自己と認識し,排除する生体防御機構が存在する。ある特定の病原体に一度感染すると抵抗性を持つようになり,同じ病気にかかりにくくなる,あるいは感染しても症状が軽減することが免疫機構の特徴である。外来の病原体に対しては免疫反応を惹起して適切に排除する一方で,食べ物などの生体にとって無害なものに対しては,過剰な免疫反応を誘導しない免疫寛容が重要となり,免疫賦活と免疫抑制の適切な制御が重要である。過剰なエネルギー摂取,あるいは栄養不足は免疫機能の低下を引き起こすことが知られており,食生活が免疫機能に与える影響は大きい。食品由来成分の中には免疫を制御する物質がいくつか示されており,栄養バランスが整った食生活を送ることが免疫機能を正常に保つ上で重要である。これまでに,食品成分の中で多糖類,ビタミン類,脂肪酸,ミネラル(元素),乳酸菌についてはin vitro の実験やマウスを用いた動物実験により,免疫制御のメカニズムについて明らかになりつつある。また,黒大豆の一種であるGlycine max cv.Kurosengoku(黒千石)の熱水抽出物において,樹状細胞に発現するToll-like receptor(TLR)2とTLR4を介してType-1免疫を賦活することが示された。以上のことから,摂取した食品由来の成分が,生体内において免疫担当細胞に直接作用して免疫機能を制御し,感染症予防やアレルギー症状を軽減する可能性がある。今後は,ヒト介入試験によりヒトが摂取した時の免疫機能の制御効果について検討すると同時に,ヒト生体内での作用メカニズムについて詳細を明らかにする必要がある。, Article, 信州大学農学部紀要 51: 1-8(2015)}, pages = {1--8}, title = {食品成分による免疫制御メカニズム}, volume = {51}, year = {2015} }