@article{oai:soar-ir.repo.nii.ac.jp:00010546, author = {石川, 啓雅 and 加藤, 光一}, issue = {1}, journal = {信州大学農学部紀要}, month = {Oct}, note = {本稿は,標準小作料制度の現代的意義を明らかにすることを目的にしている。具体的には,米価が下落しているという状況の下,実勢小作料と標準小作料の乖離が縮小している点に注目し,第一に,下落傾向にある実勢小作料の水準と農地価格の動向についての統計的検討を行い,第二に,農地賃貸借・売買のあり方や小作料に対する農民的観念について検討している。かくして,本稿で明らかにした点を要約すると以下の通りである。(1) 農民の労働価値実現という点からは,実勢小作料は未だ高水準である。したがって,標準小作料制度の存在は,米価下落の下で労働の価値実現の確保を図っていくという点で,セーフティネットとして機能する。規制緩和が日本農業を救う唯一の道であるかのように言われ,耕作者の労働に対する正当な対価が支払われないような状況が支配的になっている今日,まさに労働価値説を前提としたセーフティネットを提示したものとして,同制度に注目する必要がある。経済成長を前提とした右上がりの米価上昇が過去のものとなり,農民の労働価値実現にとって,小作料の管理がより重要になってきたという点からも注目されてよい。(2) 具体的な考察の対象となった二つの地域(白州町,協和町)に共通しているのは,農地賃貸借・売買のあり方として,利用権設定もしくは農業委員会を通すのが望ましいという農民の観念が存在することである。そこでは,公平性やトラブル回避ということが重要視されており,標準小作料はこれを保障するものとして捉えられている。規制緩和のみを唯一のパラダイムとして,競争や効率性が優先され,公平性の原則がネグレクトされる中で,ルールの必要性が農村の現場で認識されている点に注目する必要がある。そういう意味では,標準小作料制度は,農村の民主主義にとってのセーフティネットを形成している。(3) 標準小作料制度は,小作料決定に関するルールとして,現在,唯一残されたものであり,農地政策の最後の砦となっている。, Article, 信州大学農学部紀要. 37(1): 9-29 (2000)}, pages = {9--29}, title = {標準小作料の経済学 : 標準小作料制度の現代的意義}, volume = {37}, year = {2000} }