@article{oai:soar-ir.repo.nii.ac.jp:00010671, author = {大島, 浩二 and 松尾, 信一 and 小山, 智子}, issue = {1・2}, journal = {信州大学農学部紀要}, month = {Jan}, note = {前報の雄の生殖器(恒成・松尾・大島18)1986)に引き続き,今回はニホンカモシカの雌の生殖器の機能形態に関して,家畜ヤギのものと比較させて,肉眼解剖学的に調査研究を行い,図譜を作成した。1.カモシカ,ヤギの雌の生殖器は,主として卵巣,卵管,子宮,腔,腔前庭,陰門から構成されていた。カモシカの雌の生殖器は全体的にヤギのものより小形であったが,腔と腔前庭はカモシカの方がヤギのものより長かった。2.卵巣:カモシカ,ヤギの卵巣は左右とも楕円形で,加齢とともに大形になったが,成獣のものでは,卵胞や黄体の発達により,それらの形態が著しく変動した。また,カモシカ,ヤギでは卵巣上体や卵巣労体などのような発生遺残物は存在しなかったが,しばしば胞状垂が卵巣采や卵管采に付着していた。3.卵管:カモシカ,ヤギの卵管は管径の太い膨大部と管径の細い峡部から成り,ともにヤギではカモシカのものより2倍以上長く,迂曲も顕著であった。4.子宮:カモシカ,ヤギの子宮は子宮角,子宮体,子宮頸から構成され,外観的には双角子宮であるが,子宮帆が子宮頸の近くまで伸びているため,ウシの両分子宮に類似していた。ヤギの子宮角はカモシカのものよりかなり長く,ラセン状の迂曲も著しかった。子宮体はカモシカ,ヤギともに子宮帆のために外観よりかなり短かった。子宮頸は壁が厚く,ラセン状の粘膜ヒダを形成し,ヤギの方がカモシカのものより長かった。また,カモシカの子宮粘膜,とくに子宮角と子宮体に存在する子宮小丘には,色素が沈着していたが,妊娠中のものでは消失していた。一方,ヤギの子宮粘膜には色素沈着がほとんど認められなかった。5,腔および腔前庭:カモシカ,ヤギの腔および腔前庭は,腔弁の痕跡である,かすかな横ヒダによって,ほぼ2:1に分けられ,それぞれカモシカの方がヤギのものより長かった。また,カモシカでは腔前庭の尿道下憩室に色素が沈着していた。6。陰門:カモシカ,ヤギの陰門には,左右の陰唇が厚いヒダ状を呈し,腹側陰唇交連はヤギの方が顕著に突出していた。陰門の前位には陰核が存在し,カモシカでは陰核亀頭が陰核窩から明瞭に突出し,ヤギのものより発達していた。7.卵巣重量:カモシカの卵巣重量は加齢にともなって増加したが,成獣のものでは,主として,黄体の存在によって著しく変動した。カモシカの妊娠黄体は妊娠中期までにほとんど退縮した。, Article, 信州大学農学部紀要 26(1・2): 79-98(1990)}, pages = {79--98}, title = {ニホンカモシカ(Capricornis crispus)の雌の生殖器の形態学的研究とくにヤギとの比較}, volume = {26}, year = {1990} }