@article{oai:soar-ir.repo.nii.ac.jp:00011220, author = {馬場, 多久男}, journal = {信州大学農学部演習林報告}, month = {Oct}, note = {本研究は,上伊那地方の林相を種組成により群落区分し,区分された群落と自然環境因子の関係を総合しようとするものである。今回は,自然環境因子が同一と思われる場所に隣接して生育するアカマツ林とコナラ林,アカマツ林とカラマツ林,アカマツ林とスギ林で調査地は3箇所の6林分を対象にした。これらの各林分の種組成と,上伊那地方の天然生アカマツ林の総合常在度表とを,対比しながら検討した結果を要約すると次のようになる。1) アカマツ林とコナラ林の両林分に出現する群落区分種の共通種は,A・B群落区分種とB群落区分種が良く一致しており,B群落に強く対応している。また,アカマツ林とカラマツ林の両林分に出現する群落区分種の共通種は,C~G群落区分種であるが,C・D群落にほぼ対応している。さらに,アカマツ林とスギ林の両林分に出現する代表的な群落区分種の共通種はF・G群落区分種とF群落区分種とが良く一致しており,F群落に強く対応している。このように上層林冠を形成する樹種は異なっていても,自然環境因子が似ていれば種組成による群落区分は同じであることが認められた。2) アカマツ林とコナラ林に出現する種組成によって高木類の樹種を比較して見ると,将来高木層を形成する可能性のある樹種の大半が共通している。また,アカマツ林とカラマツ林では,両林分に出現する全体の種数も多いが,アカマツ林とコナラ林の場合と同様に大半の樹種が共通している。さらに,アカマツ林とスギ林では,全体の種数はやや少ないがその中の約半数の樹種が共通している。したがって,約半数から大半の樹種が共通することは,両調査地ともに将来の林相が次第に似通ってくることが予想される。3) アカマツ林とコナラ林に出現する種組成によって低木類を比較して見ると,両林分に共通して出現する種が多いことは,将来上層林冠を形成する可能性のある高木類の樹種と同じく,下層を形成する樹種相も似通って来ることが予想される。さらに,アカマツ林とカラマツ林,アカマツ林とスギ林を比較して見ると,両調査地に共通して出現する種は全種数の約半数であるが,出現する全種数はアカマツ林とコナラ林より多く多様化している。4) アカマツ林とコナラ林に出現する低木類と草木類およびシダ類の種数より,アカマツ林とカラマツ林さらにアカマツ林とスギ林に出現する種数が多くなる傾向が認められた。5) 以上のことから,種組成により区分された群落は自然環境因子の関係を総合するために有効な手段になり得ることが考察された。, Article, 信州大学農学部演習林報告 28: 51-67(1991)}, pages = {51--67}, title = {上伊那地方における林相の種組成と自然環境因子の関係}, volume = {28}, year = {1991} }