@article{oai:soar-ir.repo.nii.ac.jp:00011281, author = {橋爪, 丈夫 and 高橋, 成直}, journal = {信州大学農学部演習林報告}, month = {Oct}, note = {日本カラマツにおけるアラビノガラクタン,冷水可溶分,熱水可溶分およびアルコール・ベンゼン可溶分の樹幹内変動と,それら各成分含有量の間の相関を明らかにするために実験を行なった。供試木は,信州大学農学部附属手良・沢山演習林に生育している46年生植栽カラマツの中から3本を選び,1972年7月に伐倒して実験に供した。各供試木の根元から2m間隔で約10cm厚の円板を採取し,Fig.1に示した方法によって試料を採取したのち,Scheme1のようにおのおのの成分を分析した。実験の結果を要約すると次のようである。1)半径方向の変動 a.心材部(髄周辺部は含まない)における各成分含有率の半径方向の変動を次のような三つの型に便宜的に分類した。変動傾向I型:髄周辺部から心辺材境界部に向かって含有率が増加する。変動傾向II型:髄周辺部から心辺材境界部に向かって含有率がほとんど変化しない。変動傾向III型:髄周辺部から心辺材境界部に向かって含有率が減少する。心材部におけるアラビノガラクタン含有率の変動は,円板採取部位によって異なった変動傾向をもつことが認められた。変動傾向I型が主として根元と樹幹のほぼ中央部位に認められることは興味深いことである。(Table 1, Fig.2)心材部における冷水可溶分,熱水可溶分,アルコール・ベンゼン可溶分およびS_1の変動もほぼアラビノガラクタンのそれと同様な傾向を示した。(Table 1, 3, 4. Fig.2, 7, 12, 16) b.髄周辺部におけるアラビノガラクタン含有率は,一部の例外をのぞいて,髄周辺部に隣接する心材部試料のそれよりも高かった。(Fig.2) c.辺材部におけるアラビノガラクタン含有率の変動には特別な傾向は認められなかった。(Fig.2) 2)幹軸方向の変動 a.各円板の心材部におけるアラビノガラクタンの平均含有率は,根元と樹幹のほぼ中央部に属する円板が高値を示し,いままでに指摘されているような地上高に伴なう含有量の増加あるいは減少傾向のいずれも本実験の場合は認められなかった。これらの部位の含有率が高値を示す理由として,半径方向における変動傾向がI型であることが一つの原因であると考えられる。(Fig.2; 4) b.心材部における冷水可溶分,熱水可溶分,アルコール・ベンゼン可溶分およびS_1の幹軸方向の変動も,ほぼアラビノガラクタンのそれと同様な傾向を示した。(Fig.4, 9, 11, 14, 18) (3)年輪幅とアラビノガラクタンおよびアルコール・ベンゼン可溶分の含有率との間には特別な関係は認められなかった。また,晩材率とアラビノガラクタンおよびアルコール・ベンゼン可溶分含有率の間にも同様に特別な関係は認められなかった。(Fig.5, 6, 19, 20) (4)冷水および熱水可溶分中に占めるアラビノガラクタンの割合は高く,特に髄周辺部および心材部で高率であった。(Table 2) (5)各成分の平均含有率は一部の例外をのぞいて,髄周辺部が最も高く,ついで心材部,辺材部の順であった。(Table 2) (6)心材部において,アラビノガラクタンとアルコール・ベンゼン可溶分,アラビノガラクタンとS_1,アルコール・ベンゼン可溶分と冷水可溶分,アルコール・ベンゼン可溶分と熱水可溶分,アルコール・ベンゼン可溶分とS_1,のそれぞれの含有率の間に高い相関が認められた。(Fig.21, 22, 23, 24, 25)一方,S_2と他の成分の含有率との間には相関が認められなかった。(Table 5), Article, 信州大学農学部演習林報告 11: 19-45(1974)}, pages = {19--45}, title = {日本カラマツにおけるアラビノガラクタンおよび抽出物の樹幹内変動}, volume = {11}, year = {1974} }