@article{oai:soar-ir.repo.nii.ac.jp:00018228, author = {白井, 純}, journal = {地域ブランド研究}, month = {Mar}, note = {旧松本藩の藩版に兵法書「兵要録」がある。「兵要録」はまず活字本が出て藩校教育に用いられた後、度重なる本文校訂を経た決定版が整版として大量に印刷され、書肆が流通を担当することで広く普及した。この「兵要録」活字本二種を、信州大学人文学部の日本文学・日本史学・日本語学分野が共同で行っている長野県木曽郡王滝村御嶽神社の文献史料調査の際に発見したが、そこには木曽山村氏の家臣であった大脇自笑による緻密な本文校訂が豊富な書き込みとして残されており、その内容を読み解くことで、木曽福島と中津川を中心に活動した兵法家を中心とした専門学術ネットワークの存在が浮かび上がってきた。大脇自笑は、江戸時代の兵学として著名な長沼流の兵法家である。長沼流兵法は松本藩出身の長沼澹齋が創始した合理性を重んずる兵法で、江戸時代には主要な二つの流派を中心に伝授されていたが、著者による写本や版本は残らず、流派を反映した異なる本文が乱立する状態にあった。大脇自笑はそうした伝授関係からみれば末流に過ぎないが、数多くの長沼流兵法家の名前と異文を引用しており、豊富な情報を収集し得たことが見て取れる。御嶽神社蔵「兵要録」は、僅かに残存するに過ぎない活字本の完本二種であるということに留まらず、木曽の人、大脇自笑による原典主義を基盤とする考証学的な本文校訂の姿を伝える貴重な文献である。, Article, 地域ブランド研究 11: 41-60 (2016)}, pages = {41--60}, title = {木曽の人、大脇自笑 : 末流の長沼流兵法家による「兵要録」本文校訂}, volume = {11}, year = {2016} }