@article{oai:soar-ir.repo.nii.ac.jp:00018777, author = {梅澤, 公二}, journal = {信州大学農学部紀要}, month = {Mar}, note = {天然変性タンパク質は従来の折りたたまれるタンパク質とは異なり,一定の立体構造に折りたたまれない。とてもやわらかい立体構造をもっと言い換えることができる。pKID(リン酸化 kinase-in-ducibledomain)は典型的な天然変性タンパク質である。pKID単体は生理的条件下で折りたたまれない。しかし, pKIDは結合相手タンパク質KIX(KID-interacting domain)との結合時には安定な一つの立体構造に折りたたまれる。この現象を結合と共役した折りたたみと呼ばれる。pKID-KIX複合体形成は実験的にもよく研究されており, pKID-KIX複合体構造は核磁気共鳴分光法によって特定されている。しかし,その最安定な複合体構造の他に準安定な複合体構造が示唆されていたが,その準安定な複合体構造の詳細は不明なままであった。そこで,詳細な計算モデルを用いて, pKIDのKIX結合状態における自由エネルギー地形の算出を実施した。自由エネルギ一地形とはある反応座標を軸にして,その軸上における自由エネルギ一変化を図示したものである。ここでは,計算構造と実験構造の差を反応座標にとり,pKID-KIX結合状態の自由エネルギー地形を求めた。その結果,準安定な領域を示し,その具体的な立体構造を示すことができた。さらに, pKIDのやわらかさがpKID-KIX間結合に与える影響を粗視化モデルを用いて明らかにした。pKID粗視化モデルに分子のやわらかさを導入し, 分子のやわらかさを変化させたときのpKID-KIX間結合解離速度および結合自由エネルギーの変化を求めた。その結果,分子のやわらかさは結合速度よりもむしろ解離速度を上昇させる効果が強く, pKID-KIX間結合自由エネルギーを上昇させることを示した。本稿では,ここで使用してきた計算モデルを簡単に紹介する。今後,天然変性タンパク質のような様々な立体構造を形成する“やわらかい”生体分子の立体構造集団と相互作用機構を解明する上で, 分子動力学シミュレーションは役立つと思われる。, Article, 信州大学農学部紀要 53: 34-43(2017)}, pages = {34--43}, title = {分子動力学シミュレーションで探る天然変性タンパク質の準安定複合体構造と結合解離調節機構}, volume = {53}, year = {2017} }