@article{oai:soar-ir.repo.nii.ac.jp:00019345, author = {柳川, 徹 and 田渕, 克彦}, issue = {4}, journal = {Japanese Journal of Biological Psychiatry}, month = {}, note = {Neuroligin(NLGN)は,シナプス後終末に局在する1 回膜貫通型細胞接着因子で,シナプス前終末に局在するNeurexin(NRXN)と結合することにより,シナプスの成熟を誘導すると考えられている。近年,NLGNおよびNRXNの遺伝子異常が自閉症患者のスクリーニングから頻繁に発見されるようになったことから,これらの分子によって維持される正常なシナプス機能の破綻が,少なくとも一部の自閉症の原因と関係しているのではないかと考えられるようになってきた。我々は,ヒトの自閉症患者から最初に発見されたNLGNの単一アミノ酸変異である,NLGN 3 タンパク質の451 番目のアルギニンがシステインに置換された変異を有するマウスを作成し,解析を行った。このマウスは正常に発生,成長し,目立った外見的異常は見られなかったが,行動解析により,自閉症特有の社会的相互作用の異常を再現することが証明された。また,Morris 水迷路試験により,この変異マウスでは空間学習記憶能力が顕著に亢進することも見出した。このマウスの大脳皮質のシナプス機能を電気生理学的に解析したところ,抑制性シナプス機能の増強が認められ,GABA受容体遮断薬投与によってこのマウスの社会的相互作用の異常が改善されたことから,このマウスでは大脳皮質の抑制性シナプス機能の増強が,社会的相互作用の異常を引き起こしていることが示唆された。このマウスの海馬のシナプス機能を調べたところ,このマウスではシナプスの可塑性の亢進が認められ,NMDA受容体のうち,幼若型シナプスで特徴的な,NR2Bサブユニットの比率が優位になっていることを見出した。NR2Bの過剰発現マウスでは学習記憶能力が亢進する過去の知見と一致する。以上のことより,NLGN 3 R451C 変異は,シナプスの成熟異常を起こし,大脳皮質機能を介した社会的相互作用の異常と,海馬機能を介した学習記憶能力の亢進という,ある種の自閉症の症状のパターンを生み出す原因になっていると考えられる。, Article, Japanese Journal of Biological Psychiatry. 23(4):281-286 (2012)}, pages = {281--286}, title = {Analysis of Neuroligin-3 R451C knock-in mice as models for autistic savant}, volume = {23}, year = {2012} }