@techreport{oai:soar-ir.repo.nii.ac.jp:00021328, author = {西村, 直子 and 井上, 信宏 and 武者, 忠彦 and 増原, 宏明 and 山沖, 義和}, month = {Mar}, note = {本研究は,松本市役所職員と信州大学の研究者が組織する「地域政策研究会」の活動を対象に,「市民参加による政策形成過程」のデザイン手法であるFuture Design(以下,FD)の社会実装化の特徴と意義を整理し,FDワークショップ(以下,WS)の実施方法を明らかにするとともに,FDWSの効果を検証することを目的としている。
 地域社会が抱える問題(人口流出,環境,防災等)は,現代世代とまだ生まれていない将来世代との間で,便益と負担に関する利害対立をはらむ。しかし,将来世代が政策立案・交渉の場に存在しないため,その解決は困難である。そこで提唱されたのがFDである。この手法の最大の特徴は,WS等を通じて参加市民に「将来世代」になり切ってもらい,将来世代にとって妥当な政策を議論することである。
 本研究では,FDを実践するうえで重要となる,政策テーマの選定,WSのデザイン,ファシリテーション手法,WSの質的量的評価に関して,以下の結果が得られた。第1に,政策テーマの選定と事前準備である。松本市での実践では,テーマ選定とファシリテーションスキルの修得に関して,20回強の打ち合わせを行い,松本市・信州大学双方で理解を深める必要性が認められた。第2に,FDWSの構造化である。参加者は,同一テーマで<現代世代>と<将来世代としてのロールプレイ>を経験し,成果を相対化する機会が必要となることが明らかとなった。第3に,ファシリテーションの重要性である。精緻でかつ明快なファシリテーションデザインにすることで,討議が迷走することを防ぐことが可能となった。第4に,WSの効果検証の必要性である。討議の内容をコーティングすることで,対立・因果・関連といった関係性をまとめることが可能となった。また「時間選好」を記録することで,FDによる介入効果を検証することができ,仮想将来世代への飛翔が認められた。第5に,FDWSの政策テーマ選定の難易度である。「世代を超えた公共性」があればすべてのテーマが討議可能であるが,政策決定の自由度と制作対象領域の広さの2つの視点から,FDとして比較的取り組みやすい政策テーマが明らかとなった。, Article, Faculty of Economics and Law Shinshu University Staff Paper Series. 2 : 1-30 (2020). (Staff Paper No.19-01).}, title = {長野県松本市におけるフューチャー・デザインの研究と実践 : フューチャー・デザイン・ワークショップ マニュアル 基本編}, year = {2020} }